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ホームページリニューアルで失敗しないための判断基準と5つの落とし穴

文/ 加藤春樹

「ホームページが古いから改善しよう」
この判断、間違ってはいません。

ただし現実には、改善したのに成果が出ない会社の方が圧倒的に多いのも事実です。

  • 100万円かけてリニューアルしたのに問い合わせゼロ
  • 見た目は良くなったが売上は変わらない
  • 結局また作り直し

こうした失敗は、珍しい話ではありません。ホームページの改善には、実はやらない方がいい場合もあります。その最たる例が、「なんとなくデザインが古い気がするから」という理由だけで進めるリニューアルです。

目的が曖昧なまま「新しくすること」自体がゴールになると、以下のような落とし穴にハマります。

  • ターゲットが求めていない不要なページを増やしてしまう
  • 本当に直すべき「使い勝手」や「情報の不足」を放置してしまう
  • 多額のコストをかけたのに、公開後の数字が一切変わらない

改善を成功させる大前提は、見た目を変えることだけではなく、「今のサイトの何が課題で、何を改善したいのか」を明確にすることです。ここが定まっていないなら、今はまだリニューアルすべき時ではありません。
そこでこの記事では、ホームページ改善でよくある失敗パターンを整理し、リニューアルを検討する際の「正しい判断基準」を詳しく解説します。

ホームページ改善でよくある失敗パターン

①デザインだけ新しくして終わる

最も多い失敗です。特にありがちなのが、WordPressの既存テーマを当てはめただけのリニューアルです。
見た目は一気に今っぽくなりますが、それだけで中身(構成)はほとんど変わっていません。

ここで見落としがちなのが、「誰にとっての”良いデザイン”か」という視点です。

  • 無関係な人(通りすがりの人)
     「なんとなく綺麗」「今風でかっこいい」といった表面的な雰囲気で評価します。
  • 本気で悩んでいる人(見込み客)
    「この会社は信頼できるか?」「自分の悩みを解決してくれるか?」「目的の商品までたどり着きやすいか?」とった基準で画面の隅々まで見ています。

「かっこいいけれど、どこに何があるか分からない」「知りたい情報が載っていない」サイトは、本気度の高い見込み客ほど「自分には関係ない」と判断してすぐに離脱してしまいます。

デザインで第一印象を良くすることは大切ですが、最終的に問い合わせに繋がるかどうかは、
無関係な人ではなく見込み客が求める情報の見せ方や、納得感のある導線が設計されているかで決まるのです。

②導線を変えずにリニューアルする

これもよくある失敗です。
見た目が変わっても、ユーザーの動きが変わらなければ結果は変わりません。

例えば、サービスの特長ページを読んだユーザーは、次に「他社との違い」や「料金」を知りたくなります。
それなのに、その先のページが無い、リンクい場合、そこで離脱します。

このように、「次に何を知りたくなるか」を前提に導線をつなぐ必要があります。
こうした流れを考えた設計を、導線設計といいます。

見た目だけ整えても、この流れが変わらなければ成果は出にくいです。

③とりあえず全部作り直す

これもよくある失敗です。
古いから全部リニューアルしよう
そんな一声で始まるケースも少なくありません。

ただ、具体的な課題を決めないまま進めると、結局は“作り替えただけ”になります。
見た目が新しくなっても、見込み客が欲しい情報にスムーズにたどり着けなければ、問い合わせは増えません。

本来は
「問い合わせボタンがここに無い」
「特定のページの文章が文脈に即してない」
といった、解決すべき課題があるはずです。

それらを特定しないまま全体を作り直してしまうと、せっかく新しくなったデザインの中でも、肝心の課題は残ったままになってしまいます。このように課題が曖昧なままのリニューアルは、方向が定まらず成果につながりにくいのです。

④安さで制作会社を選ぶ

もちろん、どなたでもコストを抑えたいと思うのは自然なことです。

ただ、制作コストを抑えるということは、「制作側がそのプロジェクトにかけられる時間が限られる」ということでもあります。時間が限られれば、当然、サイトを深く設計する余裕はなくなります。

現状の課題の洗い出しもそこそこに、設計や実装、細部の検討まで浅くなりがちです。その結果、以下のような問題が起こります。

  • テンプレートの流用
     独自の強みを活かす構成ではなく、他社と似たような「ありきたりな作り」になる。
  • 誘導(導線)の弱さ
    見た目は整っていても、特長を読んだあとに「価格」「他社との違い」「よくある質問」といった、見込み客が検討を深めるための自然な流れが作られていない。

この「情報の出し方の設計」や「次への誘導」が弱いと、見込み客は途中で興味を失い、離脱してしまいます。安さを優先した結果、肝心の「問い合わせ」という成果に繋がらないのでは、本末転倒です。

⑤更新できないサイトになる

これもよくある問題です。
せっかく新しいサイトが納品されたものの、いざ運用を始めると以下のような壁にぶつかるケースがあります。

  • 自分たちで文言や写真を変更できない
  • ちょっとした修正のたびに、制作会社へ費用と依頼の手間が発生する

こうした事態に陥らないためには、契約や設計の段階で「どこを自分たちで自由に変更したいのか」を明確にし、事前にすり合わせておくことが不可欠です。

失敗しないための判断基準

まずは、現在のサイトの課題をあぶり出すことが先決です。以下のポイントを、具体的なイメージを持って再確認してみましょう。

  • ホームページの目的・ターゲットの再確認

例)防音リフォームを検討中のユーザーに、まずは問い合わせをしてほしい

  • 導線設計の現状確認

例)トップページの「低価格なのにスピーディ」というコピーを見たユーザーが、「特長」→「価格比較」→「問い合わせ」という流れで動いてほしい(実際には複数のルートが想定されます)

  • デザインの整合性

例)音大関係者や富裕層をターゲットにしている場合、信頼感のあるクラシック調のデザインがマッチしているか?

そのうえで、具体的に以下のステップで改修の方向性を決めていきます。

「ユーザーの悩み」と「自社の解決策」がつながっているか

ユーザーが抱える課題に対して、自社のサービスがどう役立つのか。その「答え」が、トップページなどで一目で伝わる状態になっているかを確認します。
ここがズレていれば、ターゲットから「自分には関係ないサイトだ」と思われ、すぐに離脱されてしまいます。

検討を深める「情報の順番」が適切か

ユーザーは「良さそう」と思った後、「本当に信頼できる?」「他と何が違う?」「いくらぐらい?」という不安を一つずつ解消したがります。特長、事例、価格、よくある質問へと、ユーザーが今知りたいことに沿って、自然に進める「流れ」ができているかをチェックします。

ここまで整理してはじめて、「今の枠組み(構造)を活かして部分改修するのか」、それとも「サイトの構造自体がユーザーの動きに合っていないからフルリニューアルするのか」という正しい判断ができるようになります。


まとめ:目的と導線なきリニューアルとならないように!

「ホームページが古いから」という理由だけでリニューアルに踏み切るのは、非常にリスクが高いです。せっかく時間とコストをかけても、見た目が新しくなるだけで、本来の目的を達成できないケースが後を絶ちません。

ホームページ改善で失敗しないための重要なポイントは以下の通りです。

  • 目的を明確にする
    「何を解決したいのか」を最初に決める
  • 導線を設計する
    ユーザーが知りたい順番にページをつなぐ
  • 運用を見据える
    自分たちで更新できる範囲を事前にすり合わせる

まずは現状の課題を洗い出し、部分的な改善で済むのか、それとも全体的なリニューアルが必要なのかを見極めることが成功への第一歩です。
デザインの刷新はあくまで手段。成果を生むための「中身」と「設計」にしっかりと目を向けましょう。

加藤春樹

WEB制作歴25年・受注件数約2,000件の実績をもつウェブディレクター・デザイナー・プログラマー。 日清食品やJR東日本、尚美学園大学など大企業/学術機関のウェブ制作にも多く携わってきた経験がある。 独自の「誘導中心設計」に基づくホームページを制作し、サイトからのイベント集客を2倍(1,500人→3,000人)にするなど、「売れるホームページ」作りに定評がある。

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