うすい流 キャッチコピーもボディコピーも感動3割増しに作れる、資料の読み方のコツ

2019.06.06

文/うすいふじこ

 

今回は、資料を読むときにちょっと気をつけるだけで、作るコピーの感動が3割はアップする小さなコツのお話です。

 

スケジュールがタイトで気が急くときこそ、ぜひ、試してみてください。

 

 

「今すぐ資料に目を通したい」という、危険な焦燥感

read-materials1.png帰り道でさえ「今すぐ資料に目を通したい」という焦燥感が。
むずかしい案件やスケジュールに余裕のない中、コピーを制作するのは気が急くもの。そういうときに限って、資料をどっさり渡されたりします。「とにかくザッと目を通して、後でゆっくり確認しよう」などと、ついつい思ってしまいがち。

しかし、ちょっと待ってください。
それ、絶対やってはいけないことなんです。

コピーライターの仕事は、クライアントに代わって言葉を組み立てること。初めて出会う企業や商品の場合でも、かなり細かいところまで理解し、頭に入れてからでないとコピーは作れません。

 

だから、資料の読み込みは大切なプロセスの一つです。初打ち合わせで大量の資料を渡された帰り道など、電車の中でさえ、「今すぐ資料に目を通したい!」という焦燥感に駆られます。

もちろん守秘義務がありますから、新発売前の商品の資料を電車の中で広げるコピーライターはいないでしょう。でも、旧商品の資料や会社案内、過去に雑誌や新聞に取り上げられた切り抜きなどであれば、電車の中で読み始めてしまうかもしれません。

かつての私も、そうでした。

“二回目の情報”から感じ取れるものは・・・?

read-materials2.png
資料を読み始めると、何しろ初めての相手ですから、何もかも知らないことばかり。「へぇ~! ホントに!?」「えっ、そうなんだぁ!」といろいろな発見があります。

「あ、このワードはキャッチコピーに使えそう! 後でマークしておかないと!」
「ここ、すごく大事! 後でもう一度、しっかり読み直そう」

などなど、コピー制作に役立ちそうな要素がざくざくと出てきます。ところが、電車の中で立ち読みしているときや大まかにザッと目を通している状態のときは、ペンも付箋も手にしないまま。「後でもう一回読んだときにちゃんとマークするから……」と、とにかく先へ先へと読み進めることに夢中になってしまいます。

そして、その後。

デスクに向かってペンやマーカー、付箋やメモ用紙を手に、いざ、もう一度資料を読み直すわけですが―――

 

「あれ? さっきスゴイと思ったところ、どこだっけ?」
「このへんに何か重要なことが書いてあったはずなのに……」

惹かれるワードや大事な要素であんなにキラキラと輝いていた資料が、ただの大量の紙と文字に変わってしまっていることに気づくのです。


すべては、既に見たことのある二回目の情報。そこには、さほど大きな驚きもなく、それどころか、あのとき自分が何に感動したのかさえ思い出せない有り様です。

あぁ、なんてもったいないことを。
初めて目にする情報を、それを知ったときの驚きや感動とともにしっかりマークしておくべきだった。そうすれば、その驚きや感動をコピーに盛り込んで、読んでくれる人と共有できたかもしれないのに!

しかし、今となっては後の祭りです。

 

一回目にしか味わえない、驚きと感動を大切に

そんな体験を何度かして、私は、生半可な気持ちで資料を読むのをやめました。どんな資料でも、初めて読むときはしっかりと時間を確保し、全神経を鋭敏に研ぎ澄まし、大事なこと、心の琴線に触れたことはすべて拾い出す覚悟で読み始めます。

 

コピーを作り上げていくためには、その後、何度も同じ資料を読み返し、書かれた事実を確認することになります。しかし、初めて読んだときに自分の中に生じる驚きや感動は、最初の一回目だけにしか味わえないもの。しっかり捕まえてマークしておかないと、どこかへ消えてしまいます。

 

できあがったコピーを読む人は、私の作ったコピーを通して初めての情報に触れることになります。その時、私が最初に感じたのと同じような驚きや感動を覚え、興味を持ってほしいから……。だから私は、“自分自身が一回目に資料を読んだときの驚きや感動”を特別大事にすることにしたのです。

 

“感動”の一番の大敵は、“慣れ”です。一回目より二回目、二回目より三回目、データや事実は確実に頭に定着していく一方、“感動”は回を重ねるごとに失われていきます。
コピーライターの仕事は、多分一度しか読まれることのない言葉を通して、相手の中の“感動”や“驚き”を呼び覚ますこと。人の心をほんの少しでも揺るがしたいと思うなら、まず、“自分自身が感動する瞬間”を自分なりに捉え、その感動を読み手の心の中に再現できるよう、コピーとして大事に育てることだと思うのです。

 

 

広告という、読み捨てられていく言葉の中にも、一期一会はきっと息づいています。

 

 

 

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この記事を書いたのは

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うすいふじこ

 

コピーライター、プランナー

 

コピーライター歴、約20年。紙媒体からウェブサイトまで、商品広告、企業広告、フリーペーパーや広報誌の編集・制作、会社案内、イベントのスローガン、インタビュー記事など、数多くの制作に携わってきました。

これまで自分なりにやってきたコピーライティングの仕事の進め方やコツ、また、言葉について日々考えたことなどを公開していきます。

「こんなテーマで聞いてみたい」ことなどありましたら、リクエストしてください。可能な限りお答えしていきます!

 

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