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うすい流 キャッチコピーを作るとき、最低限やっておきたい6つのこと

文/ うすいふじこ

うすい流 キャッチコピーを作るとき、最低限やっておきたい6つのこと

キャッチコピーと言えば、広告やウェブサイトで最初に目に入ってくる文字要素。その先を読んでもらえるかどうかを左右する大事なものです。短い言葉の中で、何を、どんなイメージで伝え、読み手の心を捉えるか。コピーライターの腕の見せ所です。

街にあふれる広告のキャッチコピーを目にすると、「こんなの、私でもつぶやきそうな言葉」「このくらい、自分にもできそう」と思えるものもたくさんあると思います。でも、実際に作ってみると、これがなかなかむずかしい。パッとひらめいたり、ポロッとひと言カッコいいことを言って完成! とはいかないからです。

では、キャッチコピーを作り上げるために、どんな作業をしているのか。
ここでは、私が必ずやっている最低限の6つの作業をご紹介します。

ステップ1) クライアントの思いの丈を受け止める

クライアントもしくは広告代理店等の担当の方から話を聞く広告を作るときは、ほとんどの場合、クライアントもしくは広告代理店等の担当の方から話を聞くところから始まります。

例えば、商品広告を作る場合。
その商品の特長や独自性、研究開発の経緯や内容、他社の競合品との違い、同ブランド内での位置づけ、販売ターゲットのイメージ等々、さらにはその会社自体のポリシーや業態に話が及ぶことも多々あります。同時に、大量の資料が支給されます。その商品が既に世に出ているものだと、多くの場合、サンプル品も提供されたりします。

クライアントによっては、面談による説明はナシで、いきなり資料の支給から始まることもあります。でも、私は可能な限り、直接クライアントの話を聞きたいと思っています。その商品に掛ける熱い思いを受け取ることのできる大事なチャンスだからです。直に聞いた話や受け止めた思いの丈は、キャッチコピーの制作に必ず生きてきます。

さて、資料を持ち帰ってからが、いよいよ本格的な制作作業のスタートとなります。

ステップ2) 答えはクライアントの中に。あらゆる資料を徹底的に読み込む

クライアントからの資料を徹底的に読み込むサンプル品を目の前に置いて、じっと眺めているだけではコピーは出てきません。仮に出てきたとしても、外側から眺めただけでポロッと出てくるようなコピーは、大概、奥行きのない薄っぺらなものです。よほど外観に特徴のある商品なら話は別ですが。

私が最初にするのは、資料を徹底的に読み込むこと。キャッチコピーだけでなく、ボディコピーも作っていくことになりますから、商品の全体像からかなり詳細なところまで、きちんと理解しておくことはとても大切です。

読みながら、キャッチコピーの種になりそうなワードやアピールするべきポイント、大事なことが書かれた文脈等をどんどんピックアップし、書き出していきます。

私は常々、広告のコピーというものは、コピーライターの頭の中だけで作られるものではなく、答えはクライアントの中にあるものだと考えています。どんなに素敵なコピーでも、クライアントの思いや商品そのものにそぐわなければ、使われることはありません。だから、まずは先方から提供された資料を徹底的にスタディするのです。

また、資料は先方から支給されるものだけではありません。読み進む中で、自分の知識の足りない部分や様々な関連情報については、ネットや本などで調べて補充していきます。時にはクライアントに質問を投げることもあります。

ステップ3) クライアント発信の言葉でキャッチコピーを組み立てる 

クライアントの言葉で組み立てる一通り資料を読み終える頃には、かなりのワードが採集できていますので、それらのピースを使ってキャッチコピーを組み立てていきます。

資料の中から発掘した言葉は、いずれもクライアントから発信されたもの。だから、それらをもとに組み立てたコピーはクライアントに親和性があり、違和感を生み出しにくいのです。

時には、とても魅力的な要素を持ちながら自分たちではそれに気づかず、全く表に出していないクライアントもいます。資料の中の何でもないところに、キラッと光る原石が埋もれていることがあるのです。それを拾い上げて磨き、光を当ててあげることがコピーライターにはできます。

そんな要素に気づき、読み手の心に響くコピーとしてまとめ上げるのが、コピーライターのセンスの一つだと私は思います。

ステップ4) それって、こういうことだよね? 別の言葉に置き換えてみる

次は、ステップ2で拾った要素を発展させていく作業です。
ステップ3では、クライアント発信の言葉をもとにコピーを作りました。今度はそれを土台としながら、「それって、こういうことだよね?」と思う自分の言葉や新しい表現に置き換えてみる作業です。
このときに気をつけたいのが、決して自分の頭だけでコピーをひねり出さないこと。クライアントの意図やアピールすべき商品特性からはずれてはなりません。コピーライターに託されるのは、それを言い換える作業なのです。
この作業によって生まれるコピーは、クライアントに対し、彼らの魅力の新たな捉え方を提案するものになってくるでしょう。

ステップ5) クライアントのその先にいる、ユーザーへ届ける

ユーザーに刺さるキャッチコピーを目指しましょうさて、このあたりまで作業を進めてくると、そこそこの数のキャッチコピー候補が出そろってくると思います。

ここで、次のような視点に立ち、もう一度全体を見直してください。

「これらのコピーは、クライアントのその先にいる“ユーザー”へ向けられているか?」

キャッチコピーはそもそも、ユーザーに目を留めてもらうために発信するものです。クライアントに満足していただくだけでユーザーに届かなければ、本末転倒です。理想は、クライアントにご満足いただきつつ、その先のユーザーにしっかり刺さるキャッチコピー。心にいつも、“ユーザー視点”を置いておきましょう。

ステップ6) 何本提案すればいい? 様々な方向性や切り口をチェック

キャッチコピーをご提案するときは、一本勝負ということはあまりありません。複数のコピーをご提案し、選んでいただくケースがほとんどです。

では、何本ご提案すればいいのか? これについて一概に言うのは難しいのですが、目安となる考え方はあります。それは、「様々な方向性や切り口を提示できているか」ということ。

似たような内容のキャッチコピーをずらりと並べてご提案しても、クライアントを困惑させるだけです。求められるのは、方向性の異なるものを並べて提示すること。それぞれの方向性の中で、さらに切り口の異なるものを何本かずつご提案するのもよいでしょう。どのような方向性で作ったか、簡単な説明も添えておけば、理解していただきやすくなります。

とは言え、「数打ちゃ当たる」方式であまり大量にご提案するのは、私はおすすめしません。自分で作ったコピーを客観的に見てジャッジし、駄作はいさぎよく削除しましょう。特に、制作するものの方向性やデザインなどが既にかなり固まっている場合は、あまり裾野を広げることなく、狙いを定めた提案を心がけましょう。

複数のご提案は、クライアントにとってもメリットがあります。多くの提案の中から、クライアント自身のオーダーや感性、方向性に合ったものを選び出し、「クライアント自身が納得して最終決定することができる」点です。
だからこそ、コピーライターとしては、どれを選ばれても悔いの残らないレベルのコピーを複数ご提案したいものです。
もちろん、すんなり決まらず修正が必要になることもあります。でも、ここまで丁寧な作業をしていればゴールまであと一歩。先方の意見を入れることで、よりよいコピーに仕上がることもよくあります。めげずに頑張りましょう。

まとめ

キャッチコピーは独りよがりでカッコよさを追求するのではなく、クライアントの意向に沿いつつ、その先のユーザーに刺さることを考えて作りたいもの。

そのために、できればクライアントと対面で話を聞き、支給された資料は徹底的に読み込みましょう。発展して様々な関連情報をネットなどで手に入れるのも役立ちます。

資料を読みながら、ピンとくるワードやポイントをピックアップ。まずはその要素でコピーを組み立ててみます。次に、できたコピーを自分なりに言い換えるなら・・・? という観点で、制作の幅を広げます。

最終的には、クライアントの向こうにいるユーザーへ向けて発信できるコピーであるかどうかを確認し、駄作は削除し、複数の方向性や切り口をご提案ができるだけの数を揃えて提出します。

最終決定はクライアントに託されますが、どれが選ばれても悔いの残らないコピーを提案したいものですね。

この記事を書いたのは

うすいふじこ

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コピーライター、プランナー
コピーライター歴、約20年。紙媒体からウェブサイトまで、商品広告、企業広告、フリーペーパーや広報誌の編集・制作、会社案内、イベントのスローガン、インタビュー記事など、数多くの制作に携わってきました。
これまで自分なりにやってきたコピーライティングの仕事の進め方やコツ、また、言葉について日々考えたことなどを公開していきます。
「こんなテーマで聞いてみたい」ことなどありましたら、リクエストしてください。可能な限りお答えしていきます!

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