WEBサイトの現状調査
Googleアナリティクスなどのツールを使った現状調査を行います。
具体的には、サイトのアクセス数やコンバージョン率といった客観的な数値データを確認します。
たとえるなら、受験勉強でいうところの試験結果だと思ってください。
したがって、わかるのは成績であり、「なぜ悪いのか?」までは教えてくれません。
ユーザのニーズや心理は、後のユーザ調査ステップで洞察することになりますが、
このステップでも、「なぜ?」という意識を持ちながら進めることが肝要です。
一人でも行える比較的簡単な調査ですので、必ず行いましょう。
自社サイトのツールを使った調査
主に知りたいのはあなたのサイトに訪れた”ユーザ”のことです。
「どんな人でどんな行動をしたか」をツールで確認します。
その一方で、”競合の戦略”や”NO1企業の成績”についても調べます。
GA・サーチコンソール、ヒートマップツール
どんな客が来たのか
主にGoogleアナリティクスで次のような指標を確認します。
・どのくらいのユーザーが来たか?
月間UU、月間PV、PV数の遷移など
・ユーザーの像を知る
アクセス日、曜日、時間帯、性別、地域、デバイス(PC,スマホ)
・ユーザーの状況を知る
デバイス、地域
・ユーザーのサイト訪問の目的を知る
人気ページ、リンク元
・ユーザーの検索ワードを知る
上位のクエリ(検索ワード)
※Googleサーチコンソールで確認します。
弊社サイトの調査結果を例に出すと、土日のアクセスは極端に少なく、平日の朝・昼・夕方付近のアクセスが多いということが判明しました。
このことから「ビジネスパーソン」が来訪されているものと想定できます。
さらに、年齢も25~30代の若い方で「ペルソナ」「キャッチコピー」といった検索ワードから流入し該当する記事が読まれています。
このことから、「勉強中のWEBディレクターさん」と見立てることができます。
このような洞察を行いながら、「前のステップ」で立てたターゲットの仮説通りかどうか確認しましょう。
冒頭で、この定量調査ではお客さまの「なぜ?」という心理は分からないと言いました。
しかし、いろいろなデータを洞察することで「なんとなくこんなことが目的の人なのでは?」と気づけることもあるのです。
ユーザーエクスプローラーで一人の行動を確認する
Googleアナリティクスの機能の大半は、客の全体、すなわち平均値に関することです。
しかし、「ユーザーエクスプローラー」だけは唯一ひとりのユーザがサイトでどんなページを見たかがわかる機能です。
したがって、最低でも上位20ユーザーくらいの行動フローをつぶさに確認しましょう。
初めて行動フローを見たとき、私は「こんなにも多くのユーザが、わずか1ページで離脱するのか」と衝撃を受けたものです。
サイト設計の時の教訓としておきましょう。
また、注意点が2点あります。
Googleアナリティクスでは、PCとスマホで同じ人が見ていたとしても、カウントは1ユーザと見なされます(厳密にはブラウザ単位で計測されます)。
もう一つは、「関係者除外の設定」を忘れないことです。
行動フローを一生懸命確認していたが、実は社員であったということがよくあります。
行動フローを見るときは下記の関係ないユーザがいることに注意しましょう。
・社員などの関係者
・売り込み目的の客
・同業者
以上、絶対に確認しておきたいユーザーエクスプローラーでした。
より細かく知るにはヒートマップを導入し確認する
ヒートマップを導入すると、Googleアナリティクスでは見ることのできないより詳細なユーザーの行動が把握できます。
その名の通り、ページの注目された部分がサーモグラフィのように色温度で表現されます。
さらに、クリックされた部分も多い順に確認することが、同じくビジュアルで見て取ることができます。
「あれだけ目立たせたバナーが無視されている」
「ファーストビューまでしか見られていない」
といった改善すべき点が一目瞭然になることがメリットです。
SNSのアナリティクス
自社で運営しているSNSがあれば、そのSNS付属の分析ツールも確認しましょう。
分析する項目としては、下記のようなものです。
・どんな記事がどのくらい見られているのか?
・いいね数やコメント数、保存数
・コメントの内容
SNSのアナリティクスも、お客さまのニーズを検討する上で重要な情報となります。
競合調査
競合サイト調査
あなたのサイトにとっての、競合・代替サイトをググって調べ、サイトの内容を実際に見て確認します。
そのときの確認ポイントは…
・自社にない競合のコンテンツは?
・競合サイトの訴求ポイントは?
・どんなイメージを訴求したいのか?
あなたのサイトでは、競合と張り合うべきか、訴求ポイントをずらすか考えます。
重要な調査ではあるのですが、どっぷり他社サイトを見過ぎてしまうと、あたかも「競合サイトが正解」かのように感じ、新たな発想が生まれなくなってしまいます。
後のサイト設計では、競合サイトのことを一旦忘れた方が良いということは覚えておきましょう。
SimilarWEB
SimilarWEBというサービスで、競合の調査が可能です。
ただし、ある一定数以上のアクセスがあるサイトでないと調査できません。
ですので、誤解を恐れずに言うと「業界NO1企業のサイトのGoogleアナリティクスを見るツール」です。
無料でも、「PV数、直帰率、訪問ページ数、滞在時間、流入キーワード、流入メディア」と、かなり盛り沢山の情報が確認できます。
他社のGoogleアナリティクスを見ることができる、唯一のツールですので活用しない手はありません。
ネット上の声を訊く
下記の調査はどちらかというと、
「なぜ商品を買いたくなるのか?」「お客さんの困りごとは何か?」
というユーザーの内面を知るための重要な調査です。
ついつい、サイト運営者は「お客様目線」といいつつ、そうなれないものです。
特に重要な、QAサイトでの投稿を見ていると自らのズレに気づかされます。
下記の調査は、やってもやっても終わりのない調査です。
したがって、「2日間掛けて徹底的にヤル」など期限を決めてもよいでしょう。
・キーワードでのニーズ調査
関連ワードを知る:Googleキーワード プランナー、ラッコキーワード
検索ボリュームを知る:Googleキーワード プランナー
・ツイッターでタグる
Googleでの検索とは、違った結果が表示されます。ググるだけのときよりも気づきが多くなります。
・Q&Aサイト(ヤフー知恵袋、OKWAVEなど)を調査する
あなたの業界でのQ&Aサイトがあるかもしれないので探してみましょう
例:転職に特化したQ&Aサイト job-q.me
・Youtube動画を参考にする
「同業者が自社製品を売る」や「商品選びをアドバイスする」といったYoutuberが動画をアップしていることがあります。
あくまでそのYoutuberの利益のために作られた動画であるため、かならずしもターゲット層を代弁しているとまでは言えません。その反面、わかりやすい動画もあるのでひとつの参考にはなります。
調査データを見る
・あなたの業界内の調査データ
たとえば、不動産業界や地域の情報などです。
・博報堂の生活者調査
いまどきの若い世代、いまどきの60代の行動傾向など参考になります。
無料で使え、参考になるデータもあります。
以上、公の調査データでした。
これだけをもって結論に結び付けられないのですが、マクロ的な視点で見ることもこの機会に行っておきたいものです。
加藤春樹
WEB制作歴25年・受注件数約2,000件の実績をもつウェブディレクター・デザイナー・プログラマー。 日清食品やJR東日本、尚美学園大学など大企業/学術機関のウェブ制作にも多く携わってきた経験がある。 独自の「誘導中心設計」に基づくホームページを制作し、サイトからのイベント集客を2倍(1,500人→3,000人)にするなど、「売れるホームページ」作りに定評がある。
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