「自社を候補に入れて、2択に絞った」顧客向けコンテンツ
選ばれるためには、機能面だけの訴求では不十分です。顧客の感情を動かす努力を忘れてはいけません。
制作するページ > 開発者ストーリー・経営者のミッション・サイト全体の世界観作りなど
顧客の状況
購入候補を、東京スリムエステとB社の2択にまで絞り、迷っています。
情報収集や検討を続けることに疲れていて、「早く決めて楽になりたい、背中を押してほしい」と思っています。
「断定」口調で顧客を引っ張り、「長文」で商品に込めた思いやビジョンを伝えよう!
顧客は、自社製品と他社製品の2択程度にまで絞り込んでいます。前記事までの顧客よりも購入意欲が高まっており、決定打が欲しいとも思っています。
この段階の顧客に対しては、次の2点を意識してコンテンツを作りましょう。
- 「断定」して顧客を引っ張るある程度の断定的な言い回しを用いて、顧客を自社商品で幸せにして差し上げるという気持ちを持ってページを制作しましょう。
- 「長文」で読ませることも可能顧客は購入の決定打を探している段階なので、長文でも読んでくれる可能性があります。そのため、「自社のミッション・ビジョン・コンセプト」「開発者ストーリー」といった自社目線の〈オレオレ記事〉でもしっかりと読んでくれる可能性があります。
「感情」を動かすコンテンツを制作する
顧客は、必ずしも商品の機能だけで選ぶわけではありません。「感情」を動かすことが決定打になるのです。
あなたにも、「機能ではやや劣っているけど、感覚的にこっちを選んだ」という経験がきっとあると思います。
具体的な施策としては、次のようなページ作りを検討しましょう。
サイトのデザイン
「サイトはダサいが商品は優れている」場合と、「商品は劣っているがサイトのデザインが優れている」ケースで、後者を選んだことはありませんか?
私は、ダサいデザインのサイトの商品はなんとなく信用できず、申込みボタンを押すのを躊躇することがあります。
このように、「美しいものは機能も優れている」と感じる心理バイアスを美的ユーザビリティ効果といいます。
サイトのデザインは選ばれるために重要な要素なのです。
世界観
世界観が素敵なサイトの例を見てみましょう。
・茅乃舎
茅乃舎の出汁パックの販売サイトは、季節のストーリーを感じさせる、和を押し出したお洒落なデザインです。
出汁にしてはやや高額ですが、この世界観に惹かれてつい買ってしまいます。
出典)茅乃舎
・光岡自動車
オーナーの「映える写真」が掲載されています。
写真やサイトの美しさに心惹かれて、「自分もこんなカーライフを送りたい」と想像が膨らみます。
出典)光岡自動車
出典)光岡自動車
開発ストーリー (ストーリーで共感させる)
私は、NHKのプロジェクトXという番組を以前よく観ていました。
印象に残っているのが、黒部ダムの工事の放送回。断崖絶壁の難工事に挑む人達がピンチを切り抜ける姿を見ると、自分と関係ない仕事なのに、つい手に汗をにぎって応援しました。
このように、人は共感する生き物です。顧客には直接関係がない「開発者のストーリー」でも、興味を持ってくれる可能性があります。
ストーリーにのめり込むことで、商品への思い入れが強くなる効果も期待できます。
出典)balmuda
経営者のミッションやビジョン
イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業「SPACE X」を例に見てみましょう。
宇宙旅行はともすれば絵に描いた餅となる恐れがあります。しかし、イーロン・マスク氏の強烈なミッション・ビジョンは投資家や従業員を動かし続けています。
出典)SPACEX
寄り添った文章 ~「励まし」は大切
次の歯科医院のブログは、文章がわかりやすいだけでなく、患者を突っぱねるような言い方を避け、やさしく「励ましてくれる」ように書かれています。選ばれるためには、こうした文章の表現に配慮することも大切です。
出典)東戸塚歯科医院 歯のブログ
この記事のまとめ
・2択にまでしぼり、購入意欲が高く、決定打を求めている顧客に対しては、断定口調や長文も用いて引っ張っていく。
・ 顧客の「感情」を動かそう。
(サイトのデザインや世界観・開発ストーリー・経営者のミッションやビジョン・文章の力)
次の記事では、ついに顧客が自社サイト1択にまで絞り込みました!あと一歩、最後の一押しについて解説します。
加藤春樹
WEB制作歴25年・受注件数約2,000件の実績をもつウェブディレクター・デザイナー・プログラマー。 日清食品やJR東日本、尚美学園大学など大企業/学術機関のウェブ制作にも多く携わってきた経験がある。 独自の「誘導中心設計」に基づくホームページを制作し、サイトからのイベント集客を2倍(1,500人→3,000人)にするなど、「売れるホームページ」作りに定評がある。
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