ペルソナの作り方、実例・解説付き! ターゲット分析を超える、次の一手!

2019.06.10

文/加藤春樹

「ペルソナ分析」、「ペルソナ設定」、「ペルソナ作成」―――。
自社でのホームページの運営に関心のある方なら、「ペルソナ」は、一度は聞いたことのある言葉だと思います。

 

ひと言で「ペルソナ」と言いますが、その意味は「ターゲット」と同じなのか? また、「ペルソナ」を設定すると、どんなメリットがあるのか? そんな疑問をここで解決しておきましょう。

 

「ペルソナ」は、作ること自体が目標ではありません。有効に活用することによってこそ、よりホームページに反響を得ることが可能になります。

 

そんな「ペルソナ」を、どうのように作ればいいのか? 作成についても、実際の流れに沿ってわかりやすく詳しく解説します。

【目次】

ペルソナ手法とは? ターゲット分析とどう違う?

ターゲット分析だけでは難しい時代に

ペルソナ手法の誕生

今の時代に欠かせない、ペルソナの作成

ペルソナ作成の4つの利点

その1) 感情移入により、今までと違う気づきが得られる

その2) たった一人に向けて、リアルに刺さる表現を

その3) 全員にユーザー中心の意識を浸透させる

その4) ペルソナの共有で、強固なブランディングへ

ペルソナを導入するのは最初の段階で!

ペルソナ作成の流れ、7つのステップ

ステップ1. 簡易ペルソナを確認する

ステップ2. 定量調査を行う

A. 公開されている定量調査データを収集する

B. 自社サイトの来訪者の属性を確認する

C. 他社のホームページを確認する

D. 関連ワード、QAサイトからニーズを確認する

E. SNSでの調査を行う

F. アンケート調査を行う

ステップ3. 収集データを分類し、インタビューの対象セグメントを決める

ステップ4. インタビューを行う

ペルソナのゴールを確認する

ユーザーの本音を深掘りするインタビューテクニックは?

インタビューのメモは正確に残す

インタビュー以外の方法として ~ MROC

ステップ5. インタビューの結果を箇条書きにする ~ スケルトンの作成

ステップ6. ペルソナの物語の作成

ステップ7. ペルソナがうまく作成できているか確認する

第1項目 そのペルソナは、実在する人物のように感じられるか?

第2項目 そのペルソナの記述は、魅力的か?

第3項目 そのペルソナは、重要な属性と高いレベルのゴールを表しているか?

第4項目 そのペルソナは、商品やサービスを具体化する際の意志決定要因となるか?

第5項目 そのペルソナの使い勝手はよいか?

第6項目 そのペルソナは、適切で質の高い仕上がりになっているか?

ペルソナをホームページ制作に活用する方法

ペルソナを各担当者に信用してもらう

ペルソナに感情移入しながらコンテンツを決める

ペルソナが複数あるときは?

ペルソナの検証

必要な場合は、ペルソナを修正する

まとめ

ペルソナ手法とは? ターゲット分析とどう違う?

ターゲット分析だけでは難しい時代に

かつてのユーザー分析の手法は、市場を年齢や性別などの大枠で分割(セグメンテーション)し、例えば「ターゲットは20代後半の女性」というようにざっくりと捉えていました。こうした簡単なターゲット分析で選んだ層にアプローチすれば売り上げが見込める、という時代だったのです。
しかし、インターネットで同じような商品をいくらでも比較できる今の時代、従来のターゲット分析だけではユーザーの獲得は難しくなりました。

persona1.pngターゲット分析

ペルソナ手法の誕生

そこで、「ペルソナ」という仮の人物を想定し、ユーザーを理解する手法が現れました。
ペルソナ手法では、「週末は吉祥寺にキッチン用品やおしゃれな家具を見に行ったりする、29歳の働く女性、木村佳子さん」といった、あたかも実在しそうな人物、すなわちペルソナ像を設定します。
そして、“木村佳子さん”が好きなものは何か、“木村佳子さん”はどんな時にうれしいと感じるか、というように“木村佳子さん”に感情移入していくことで、ユーザーのニーズや刺さる表現を発見していくのです。

 

persona7.pngペルソナ参考例

今の時代に欠かせない、ペルソナの作成

WEB制作業を営む私自身のリアルなお話をします。

20年ほど前は、ビジネス交流会に行くだけで「ホームページを作れるのですか? ぜひ打ち合わせに来てください」と、次々に仕事のオファーが来ました。ホームページを作れる人材があまりいなかったため、ターゲットの中に入るだけでよかったのです。
ところが今は、そのような交流会に行くだけでは声はかかりません。
 
そこで、オフィスアンツでも「ペルソナの手法」を取り入れたマーケティングを行い始めました。今では欠かせない作業の一つです。

もし、あなたにも心当たりがあるのなら、ペルソナ作成を試してみてはいかがでしょうか。

ペルソナ作成の4つの利点

その1) 感情移入により、今までと違う気づきが得られる

そもそも「物を売る」とは、どのようなことでしょうか。
それは、「買う気がない」人が「買う気になる」よう、態度を変容させることです。
物が売れない現在、これはとても難しいことで、かつてのように年齢や性別などでざっくり選んだターゲットに対して広告を打っただけでは成果は上がりません。ネット上で比較され、価格勝負に持ち込まれるのが落ちです。


ペルソナ手法では、作成したペルソナになりきり、感情移入をします。それにより、こんな切り口ならユーザーに刺さるのでは?という気づきを得ることができます。

 

ペルソナに感情移入することで、刺さるアプローチを発見したり、ユーザーも気づいてなかった新たなニーズを発見できる。

その2) たった一人に向けて、リアルに刺さる表現を

万人に伝えようとして作られたコピーやデザインは、結局、誰にも刺さらない抽象的なものに終始してしまいます。しかし、“木村佳子さん”というたった一人の人に届けようとして作られたコンテンツは、よりリアルに刺さるコピーやデザインになるのです。

 

誰だかわからない万人に向けた言葉より、一人のペルソナに向けた言葉の方が、より心に刺さる

 

参考文献)阪本 啓一 「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。 (2012年発行)
参考動画)小泉進次郎氏が語る「ビジョンを伝える言葉の力」とは?

※小泉氏は講演の中で「この会場の200人全員に伝わる話しをするということは、200人全員に伝わらないことと同じことなのです」と表現。一人に向けて話すことの重要性を語っています。

その3) 全員にユーザー中心の意識を浸透させる

ホームページの制作に関わる社内の関係者全員でペルソナを構築していくことで、よりユーザーのことを理解しようという意識を全員に浸透させることができます。
作業する間は、常にユーザーのことを考え続けることになります。
「なぜ、こんな感情になったのだろう?」「なぜ、こういう判断をしたんだろう?」
作業工程において常にユーザーのことを考え続けることで、自社にユーザー中心の思考が浸透します。

 

ペルソナを作成する行為自体が、社内全体にユーザー中心という意識を浸透させる。

その4) ペルソナの共有で、強固なブランディングへ

最後の利点は、ペルソナを共有できることです。

商品開発、マーケティング、広告・広報、営業、ユーザーサポート等のすべての担当部署や、外部の協力会社などとペルソナを共有することで、統一したサービスを展開することが可能になります。

その結果、自社商品のブランディングを強めることができます。

 

ペルソナをマーケティング担当、営業、商品開発や外部の協力会社などと共有し、足並みをそろえる

ペルソナを導入するのは最初の段階で!

マーケティングでは、自社の分析、ユーザーの分析、競合の分析などを行います。
中でも、ユーザー分析に含まれる「ペルソナの設定」は最も初期の段階で行うべきです。
なぜなら、自社の分析を先に行ってしまうと、マーケティングが「自社製品ありき」の限界あるものになってしまうからです。
ペルソナの設定を行う際は、自社でできないことは気にせず、まず初めにユーザーの本音を捉えることに注力しましょう。

ペルソナ作成の流れ、7つのステップ

本章では、東京都内にある架空のマンション販売会社のホームページをリニューアルするという前提で、ペルソナ作成の流れをご説明します。

ステップ1. 簡易ペルソナを確認する

まず、社内の各担当者がどんなペルソナを想定しているか、確認します。
特に、顧客と接点を持つ営業担当やサポート担当、また経営者からそれぞれが想定しているペルソナ像について聞き取り、それぞれの仮のペルソナ(簡易ペルソナと呼びます)を確認します。簡易ペルソナはデータに裏付けられていない、あくまでも各人の仮のペルソナです。


この過程をスキップすると、最終的に作成されたペルソナと各担当者が思うペルソナが異なっていた場合、担当者の簡易ペルソナが優先される恐れがあり危険です。

 

persona0.png各担当者の持つペルソナ像(簡易ペルソナ)

ステップ2. 定量調査を行う

ペルソナを作成するためには、属性が的確な人々を選びインタビュー調査を行う工程が必要です。その準備として、まずは定量調査を行い、自社のターゲットの属性(例:20代/女性/独身 など)を確認していきます。

 

定量調査とは、データを数値で表現することができる調査のことです。具体的には、男女比、年代、アンケート集計結果などがこれに当たります。

 

それでは、実際どのように定量調査を行うか解説していきます。

A. 公開されている定量調査データを収集する

persona2.png定量データの例) 総務省統計局 人口推移データ総務省統計局が行っている国勢調査、人口推移、家計調査といった統計データの中から、自社の参考になりそうなデータを収集します。

総務省統計局
https://www.stat.go.jp/

また、あなたの会社の関連する各業界団体や業界のリードカンパニーの統計調査が公開されている場合があります。これらもチェックして、収集しておきましょう。

インターネットで検索すると、意外と参考になるデータがヒットします。たとえば不動産会社であれば、リクルート、みずほ不動産販売など多数の調査結果を見つけることができます。

https://www.recruit-sumai.co.jp/data/
https://www.mizuho-re.co.jp/article/knowhow/realestate_trend.html

B. 自社サイトの来訪者の属性を確認する

Googleアナリティクスで、自社のサイトに来訪したユーザー属性について下記の情報を確認します。

 

Googleアナリティクスで確認できるユーザー属性
地域(市区レベル)、性別年代アフィニティカテゴリ購買欲の強いセグメント

 

このうち、「地域」は特に初期状態から確認することができます。港区や新宿区などは市区レベルで取得が可能です。

ただし、この地域の情報は接続元のIPから取得されているため正確ではありません。特に携帯電話では基地局が使用者の位置ではないことが多いため注意が必要です。

また、設定を施すことで年齢と性別、アフィニティカテゴリ(Googleが分類した興味関心事のリスト)を知ることができます。

さまざまな分析ツールがある中で、Googleアナリティクスが最も精度が高いデータを取得できるので、おすすめです。

 

persona3.png

persona5.png

persona4.png

 

また、emark+というホームページ来訪者の属性を教えてくれるツールがあります。emark+は20万人規模のモニター会員を持ち、そのデータサンプル数に日本の人口に対する20万人の比率を掛けることで、属性の数値を想定しています。Googleアナリティクスに比べて精度は決して高くありませんが、参考にはなるでしょう。こちらは、無料版でも属性を取得できます。

 

emark+で取得できるユーザー属性
性別、年代、地域(北海道・東北など)、職業未既婚子供の有無世帯年収個人年収

 

 

persona6.pngemark+で取得できるユーザー属性

https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/

C. 他社のホームページを確認する

先ほど紹介したemark+は、自社だけでなく、競合他社のホームページ訪問者の属性も確認することができます。(無料版でも取得可能。)
特に、業界1位のホームページやライバルサイトのユーザー属性を確認しましょう。


emark+の操作は簡単。URLを入力するだけで、そのサイトを訪れているユーザーの属性を確認することができます。
ただし、emark+はいわゆるサンプリングデータで、20万人のモニターの誰かが対象ホームページを見ていないとデータは上がってきません。そのため、アクセス数の少ないホームページのデータは取れない可能性があります。

D. 関連ワード、QAサイトからニーズを確認する

関連ワード取得ツールを使用すると、調べたい検索ワードと並べて複数入力されることの多い「関連ワード」を調べることができます。

 

persona8.png関連ワードとQAサイトへのリンク結果

 

関連ワードを確認することで、検索ユーザーのニーズをより深く知ることができます。

たとえば「マンション購入」の関連ワードを調べると、下記のようなワードがでてきます。

 

タイミング、維持費、東京、諸費用

 

これらの結果から、「マンション購入の最もよいタイミングを知りたいのか」とか、「購入後の維持費がどれだけかかるか心配なのだな」、といったユーザーの本音を知ることができます。
 
また、関連ワード取得ツールは、そのキーワードが使われている過去のQAサイトの投稿もリストアップしてくれます。各々の投稿内容を読み、多様なニーズを確認しましょう。

E. SNSでの調査を行う

ツイッターのハッシュタグで検索を行い、言及されている内容からユーザーのニーズや態度の良し悪しを確認しましょう。
フェイスブックやインスタグラムは、友人同士だけに公開されている情報がほとんどのため、SNSの調査には不向きです。


その他、下記のような有償のSNS調査ツールも参考になります。

 

sprinklr

https://www.sprinklr.com/ja/

くちこみ@係長

https://service.hottolink.co.jp/

F. アンケート調査を行う

過去の購入者に対してアンケート調査を行い、どんなニーズがあるのかを確認しましょう。

 

ユーザーの本音を知るためには、下記の書籍が参考になります。

著者の岡本氏が推奨するのは、以下のわずか5つの質問をすること。ユーザーが商品のことを知る前後の感情の変化を尋ねるものとなっていますが、それだけでユーザーの本音を捉えることができると言います。

質問数は少ないですが、自社と顧客との接点(タッチポイント)をしっかりと捉えられるように質問が構成されてます。

 

岡本達彦 「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法(2009年発行)
Q1. 弊社のマンションを購入する前、どんなことで悩んでいましたか?
Q2. どこで弊社のマンションのことを知りましたか?
Q3. 弊社のマンションを知ってからすぐに購入しましたか? 購入しなかったとしたらなぜですか?
Q4. 何が決め手となって弊社のマンションを購入しましたか?
Q5. 実際にマンションに住んでみていかがですか?

 

アンケート調査で参考になる書籍を、もう一冊ご紹介します。

橋本哲児 顧客の本音がわかる9つの質問(2014年発行)

ステップ3. 収集データを分類し、インタビューの対象セグメントを決める

このようにしてデータ収集が進んできたら、インタビュー調査の準備に入ります。

 

まず、これまで収集したデータを整理し、属性を分類してグループ分けします。
各グループを精査し、インタビューを行うグループ(対象セグメント)を決定します。
そして、それぞれのグループ属性に類するインタビュー対象者を最低でも各5人以上リストアップします。
この時、自社にとって重要と思わる属性を除外しないよう、インタビュー対象者選びは慎重に行います。

 

下記は、インタビュー対象の属性の作成例です。

  セグメントA セグメントB

属性

20代後半の女性

公務員

大学卒

一人暮らし

東京都内在住

40代前半の男性

会社員

大学卒

妻と子供2人の4人の賃貸暮らし

東京都内在住

インタビュー対象者

6人

5人

ステップ4. インタビューを行う

イペルソナを作成する上で、インタビューは最重要なフェーズです。
そもそもペルソナの作成はユーザーの感情をつかむために行うもので、定量調査だけではユーザーの感情を確認することはできません。
インタビューで、商品に対するユーザーの感情をしっかり聞き取りましょう。
また、顧客の趣味や休日の過ごし方、価値観など、ライフスタイル全体についても聞きます。

ペルソナのゴールを確認する

ユーザーが商品を購入する目的(エンドゴール)を確認します。
また、「購入」という行動を取るとき、人は必ず何らかの感情を抱いています。購入することでどんな気分になりたいのか(エモーショナルゴール)を確認しましょう。
購入するときの一時的な感情だけでなく、長期的な願望や理想の状態(ライフゴール)についても聞きます。


ライフゴールは長く持続するので、企業とユーザーを長期的に結びつける要因となります。例えば、Apple社のmacを持っている人は、必ずと言っていいほどiPhoneやAppleWatchを選び、何十年たってもApple社のファンで居続けます。

 

3つのレベルのゴールを確認する
エンドゴール:その商品を購入する目的。複数存在する場合もあります。
・エモーショナルゴール:その商品を購入するときの感情レベルのゴール。
ライフゴール:長期レベルのゴール。企業とユーザーを長期的に結びつけます。

ユーザーの本音を深掘りするインタビューテクニックは?

ユーザーのインタビューで回答を得たら、さらに「それはなぜ?」と聞いてみましょう。

その考えに至った感情を確認することで、ユーザー自身も気づいていない何かを発見できる可能性があります。

 

【コラム】 ユーザーに「何が欲しいか」と問うだけでは不十分!
Apple社の創業者スティーブ・ジョブズは、「ユーザーに欲しいものを聞いても、彼らには答えはわからない。Appleがユーザーの前に実際に商品を置いてはじめて、彼らはそれが欲しいと気づく」と語っています。
つまり、ユーザーに「何がほしいか?」と問うだけでは不十分なのです。
インタビューで答えを得たら、「〇〇だね? それはなぜ?(So What?)」と重ねて聞き、その考えに至ったユーザーのもっと深い本質的な感情を観察・確認しましょう。

インタビューのメモは正確に残す

インタビューを行うと、社内で検討していた時には気づけなかった発見があると思います。それもきっちりメモしましょう。
メモをする時は、ユーザーの発言と自身の気づきはペンの色を変えるなど、はっきりと区別して資料に残すことが大切です。

インタビュー以外の方法として ~ MROC

MROCはアスマーク社が有償で提供しているサービスです。知りたい事を聞く調査ではなく、ユーザー同士のコミュニケーションをウォッチすることで知るべき事を見つけるサービスです。
質問内容そのものが的はずれになるのを防ぐことができます。

 

https://www.asmarq.co.jp/mroc/

ステップ5. インタビューの結果を箇条書きにする ~ スケルトンの作成

先ほどのセグメントAに対して行ったインタビューの結果を箇条書きにします。この作業を、「スケルトンの作成」と言い、これがペルソナの骨組みとなります。重要な属性も漏らさず書くようにしてください。

 

例 スケルトンA
社会的地位:公務員
年齢:29歳
性別:女性
年収:400万円
婚姻:未婚
家族構成:一人暮らし
居住:東京荻窪駅近ワンルームマンション
  • 堅実で安定志向
  • 家でくつろぐことが好きで、料理やインテリアなどが好き
  • 家賃を支払い続けるのがもったいなく感じる
  • 分譲マンションのほうが、水回りなどの設備が充実している
  • 老後はかなり先のことだが、心配がないわけではない
  • 公務員という職業がら、今後も仕事に大きな変化はなさそう
  • 上司にも恵まれ、仕事にも不満はなく、やりがいも感じている
  • プライベートの友人は、学生時代からの2、3人だ
  • 休みの日は料理をするのが楽しみ。キッチンが狭くコンロも一口しかないため、一品くらいしかできないが、たまにお菓子なども作る
  • 家具はおしゃれなFrancfrancが好み
エンドゴール:広いマンションで料理をしたりホームパーティを開いたりしたい
エモーショナルゴール:広い空間で友人達と楽しく過ごしたい
ライフゴール:友人達に囲まれて自分らしく生きたい

 

ただし、注意する点もあります。
ペルソナを作成することは、ターゲットをより絞り込むことになります。それにより、ペルソナと属性が一致しないからという理由で、自社にとって重要な既存ユーザーを締め出すことにもつながりかねません。そういったことのないよう、この段階で十分に注意し、慎重に検討してください。

ステップ6. ペルソナの物語の作成

作成したスケルトンを元に、ペルソナの物語を作ります。
これは、各担当者が読んでペルソナに感情移入するために必要な工程です。物語ができたら、そのペルソナを言い表すキャッチコピーを作りましょう。一言で表すことで、よりペルソナをつかみやすくなります。
ペルソナを架空の人物ではなく、リアルな存在として仕立てるために、名前をつけたり写真を用意するのも有効です。また、ペルソナが読む雑誌などを想定すると「その人らしさ」が伝わりやすくなります。

 

ペルソナは、下記のような項目で構成します。

 

名前、写真、属性、キャッチコピー、物語、ライフゴール、エモーショナルゴール、エンドゴール

 

先ほどの「スケルトンA」から導き出した「ペルソナA」の例を下記に掲載します。

 

persona7.png

 

【コラム】 ペルソナ ~ ある占い師の例

私のかつてのクライアントである姓名判断の占い師の先生は、初めてのお客さんの画数を見た瞬間、同じ画数を持つ過去の知人を思い浮かべるのだと言っていました。
そして、お客さんがあたかもその知人であるかのように話しはじめます。
たとえば、「あなたは感性がとても豊かで、何ごとも感覚だけで判断します。」とか「直感が鋭く、一瞬のうちに真実を見抜くのであなたにウソは通用しません。 一方で、瞬間で物事を判断するため、勘ちがいや早とちりも多いですね。」など。
その指摘は具体的で、依頼者は「先生の話はどれも怖いほど当たっている」と評価します。
これは、占い師が頭の中で、“画数が一致する知人”という一種の「ペルソナ」を思い浮かべて語ることで、目の前の相手により刺さる占い結果となるのだと私は解釈しています。

ステップ7. ペルソナがうまく作成できているか確認する

ペルソナの出来を評価するために、フォレスターリサーチ社では下記の6項目からなるスコアカードでチェックすることを勧めています。

ペルソナは、感情移入ができるほどリアルでなければ意味がありません。6項目の質問はいずれも、活用できるペルソナであるかどうかの重要な判断指針となります。

第1項目 そのペルソナは、実在する人物のように感じられるか?

実在する人として感じることができなければ、活用は困難です。

第2項目 そのペルソナの記述は、魅力的か?

ペルソナの物語が、読んでいて没頭できるような魅力的な内容になっているか確認しましょう。

第3項目 そのペルソナは、重要な属性高いレベルのゴールを表しているか?

ユーザーとしての重要な属性を満たしているか、また、購入目的というエンドゴールだけでなく、購入した時のエモーショナルゴール、および、その人物のライフゴールが表現されているか確認しましょう。

第4項目 そのペルソナは、商品やサービスを具体化する際の意志決定要因となるか?

自社が提供する商品やサービスに具体的にどのような機能やデザインを持たせていくか。そのペルソナを介すことで迷いなく判断できることを感じ取れるような人物像になっているかを確認します。

第5項目 そのペルソナの使い勝手はよいか?

属性や物語がA4用紙一枚程度で、さっと読めるような構成になっていないと、実用性がなくなります。

第6項目 そのペルソナは、適切で質の高い仕上がりになっているか?

物語の内容はもちろん、誤字や脱字、レイアウトなどにも注意して、感情移入を阻害する要因を排除しましょう。

 

引用
高井 紳二 実践 ペルソナ・マーケティング (2014年発行)
参考

フォレスターリサーチ社(英語サイトとなります)

ペルソナをホームページ制作に活用する方法

ペルソナを各担当者に信用してもらう

6項目のチェックが終わりペルソナが完成したら、関係者と共有しましょう。
インタビューの結果や、できればその時の動画等も見せて、ペルソナを信用してもらうように努力しましょう。

信用してもらえないと、ペルソナにも感情移入をしてもらえません。

ペルソナに感情移入しながらコンテンツを決める

ペルソナをホームページ制作に活用する場合は、「ペルソナはどんな気持ちになっているのか?」と感情移入しながらコンテンツやデザインを決定しましょう。
ペルソナになりきることで、ユーザーに刺さるコンテンツや新たなアイデアが生まれることが期待できます。
たとえば、マンション販売サイトのリニューアルの場合、「一人暮らしの女性」の気持ちになりきることで「このマンションには不在時でも便利な宅配ボックスがあることを強く訴求しよう」といったアイデアが浮かびます。

ペルソナが複数あるときは?

複数のペルソナを設定してある場合、どちらに寄せて判断したらよいかわからなくなる時があります。たとえば、「4人家族の夫」と「独身女性」のペルソナを立てた場合です。
そのような時は、トップページはどちらにも当てはまる無難な内容にし、「4人家族のためのマンション購入は?」などのページと、「独身女性のためのマンション購入は?」などのページを作成し、各々のページでそのペルソナに絞った内容とデザインを展開します。
各々のページを解析し、両者ともアクセス数や売り上げが多い場合は、別サイトとして独立させることも考えられます。

ペルソナの検証

ペルソナを元にホームページをリニューアルしたら、リニューアルする前後で下記のような指標について確認するとよいでしょう。

直帰率

見た瞬間にページを去る率(直帰率)が低くなっていれば、新しいホームページに魅力を感じたと捉えることができます。

平均ページビュー数

一回の訪問で何ページ見たか比較します。

コンバージョン率

最も欲しいのは売上につながるコンバージョン(お問い合わせや商品の購入などのアクション)です。

 

その他、サイトのKPIや目標に応じて指標を確認してください。

 

もし、数値だけで把握できない時は、ユーザーにアンケートやインタビューを行いましょう。
Googleアナリティクスの数値ではわからない、ペルソナ設定時のズレや問題点が浮かびあがることもあります。

必要な場合は、ペルソナを修正する

もし、ペルソナ設定前に比べて、マイナスの傾向が現れたら、ペルソナを修正します。

ペルソナは作って終わりではありません。

ペルソナのベースとなった様々なデータも、絶対に確実なわけではありません。ペルソナを過信せず、必要なときは修正を行いましょう。

まとめ

「ペルソナ」は、古いスタイルのターゲット分析ではユーザー獲得が難しくなった今こそ注目されている手法です。

 

ペルソナに感情移入することで、ユーザーに刺さるホームページにリニューアルすることが可能になります。

 

ただし、そのためには十分なデータ分析を行い、ユーザーにも直接インタビューを行って、しっかりとしたペルソナを作り上げましょう。

 

また、できあがったペルソナを過信せず、必要に応じて修正することも大切です。

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この記事を書いたのは

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加藤春樹

ディレクター

WEB制作に約20年たずさわり、ECサイトやファッションブランドサイトなどさまざまな業種のホームページを制作しました。”成果のでる”ホームページを目指し、日々努力を重ねています。

WEBマーケティング、WEB制作に関する記事を随時投稿する予定です。

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